自然界の電気と電磁界
自然界の電気
電気は自然界にたくさん存在していると同時に、人工的につくることも可能です。電気には触れるだけで人体にショックを与える「超高電圧」もあれば、触れても全く問題ない「超低電圧」もあります。また、電圧と同時に考えなければならないのが「電流」です。(電圧と電流は、水に例えて考えるとわかり易いでしょう。水を流す際の高さが「電圧」、ある時間内に落とす水の量が「電流」となります。)
冬場にセーターを着てエレベーターのボタンを押したり、金属のものに触れると指先に「ビリッ」という感覚を受けるときがあります。これは静電気によるものですが、電圧は数千ボルト~数万ボルトという超高電圧です。しかし人体に大きなダメージを与えることはありません。これは、電流が非常に微弱なためです。
雷が落ちる場合を考えてみましょう。雷は雷雲から発生しますが、このとき雷雲の中はマイナスの電気を帯びており、大地はプラスの電気を帯びています。雷雲に溜まったマイナスの電気が一定以上の量になると、地上めがけて放電(空中を電気が伝わること)を起こします。これが「雷が落ちる」現象です。
電磁界
電気には磁力を発生させる力があり、この磁力を「磁界」といいます。モーターはこの現象を使った代表例であり、モーター内にある回転子にはコイルが巻かれて電磁石を形成しています。外側のケースに付けられた永久磁石との反発力を使ってモーター(回転子)は回転します。電磁石は、磁界を発生させられるようにつくられているのです。
静電気や雷が発生する際はそれぞれにプラスとマイナスの電極ができていると考えることができますが、この電極には数千ボルト~数万ボルトの電圧がかかっており、このとき電圧のかかったものの周囲には「電界」が発生します。同様に、電流が流れているものには「磁界」が発生し、この両者をあわせて「電磁界」と呼んでいます。波となって空中を伝わる電磁界を「電磁波」と呼び、電波や光はどちらも電磁波の一種であり、無線通信や携帯電話などにも利用されています。
電磁界は自然界にたくさん存在すると同時に、家庭用ドライヤー、パソコン、テレビ等にも存在しています。送電線にも高電圧・大電流が流れており、電磁界が発生しますが、送電線は高い位置に張り巡らされており地表での電磁界の強さは家電製品等と同等となっています。
電磁界の健康への影響