電気事業連合会

原子燃料サイクルのメリット

原子燃料サイクルは、原子力発電の特長を生かすものであり、以下の利点があります。

日本のエネルギー・セキュリティを高める

日本はエネルギー自給率が極めて低く、エネルギー資源の9割以上を海外からの輸入に依存しています。ウランも全量を海外からの輸入に頼っていますが、カナダやオーストラリアなど比較的政情の安定した国から輸入されており、埋蔵量も世界に分散されていることから、石油より供給の安定性にすぐれたエネルギー源です。また、原子力発電にともなって発生する使用済燃料を再処理することにより、回収されるウランやプルトニウムは、「準国産エネルギー資源」となりえます。

日本原子力文化財団/原子力・エネルギー図面集

日本原子力文化財団/原子力総合パンフレットWeb版

日立GEニュークリア・エナジー/日立評論

高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度の低減

使用済燃料を直接処分する場合(ワンス・スルー)は、使用済燃料全部を高レベル放射性廃棄物として処分しなければなりません。これに対し、使用済燃料を再処理することで、資源として再利用できない核分裂生成物のみを取り出し、ガラス固化体にするため、高レベル放射性廃棄物の体積が約4分の1になります。これにより直接処分に比べ、処分施設の面積を約2分の1~3分の1に縮小することができます。また、ガラス固化体からは、ウランやプルトニウムが除かれるため、天然ウラン並みの有害度になるまでの期間が約12分の1に低減されます。

余剰プルトニウムをもたない

「原子力の利用は平和利用に限る」とする日本は、余剰のプルトニウムをもたないことを国際的に表明しています。原子力発電によって生成されたプルトニウムを再び原子燃料として利用する原子燃料サイクルは、プルトニウムの消費においても非常に大きな意義があります。

なお、核物質の核兵器への転用を防止するための国際的な条約として核不拡散条約(NPT)があり、国連の下部組織である国際原子力機関(IAEA)が、原子力発電所や再処理工場などの原子力施設の査察を実施し、原子力が平和目的以外に利用されていないかをチェックしています。

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