原子燃料サイクルとは
原子力発電で一度使ったウラン燃料(使用済燃料)は、再処理することで、もう一度原子力発電の燃料としてリサイクルできます。ウラン資源を再利用すれば、エネルギーを長期にわたり安定供給することができます。
発電後の使用済燃料の中には、核分裂していないウランや、原子炉内で生まれたプルトニウムが含まれています。これらは再処理して取り出し、燃料として再利用すること、つまりリサイクルすることができます。ウラン燃料をリサイクルして利用する一連の流れを「原子燃料サイクル」といいます。

日本原子力文化財団/原子力総合パンフレットWeb版
三菱重工業/三菱重工技報 2020年
三菱重工業/三菱重工技報 2008年
日立GEニュークリア・エナジー/日立評論(2009.02)
原子力発電環境整備機構(NUMO)
東芝/東芝レビュー
資源エネルギー庁/スペシャルコンテンツ
原子燃料サイクルのメリット
原子燃料サイクルは、原子力発電の特長を生かすものであり、エネルギー基本計画では、「資源の有効利用」「高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度の低減」などの観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウムなどを有効利用する原子燃料サイクルの推進を基本的方針としています。
原子燃料の濃縮・加工
天然のウランには日本にある原子力発電所で燃料として利用できる「ウラン235」が0.7%程度しか含まれていません。
このため天然ウランを濃縮し「ウラン235」の濃度を3~5%まで高めた濃縮ウランを原子力発電所の燃料として使用しています。
原子燃料の再処理
使用済燃料からエネルギー資源として再利用できる物質を取り出す「再処理」によって、ウラン燃料のリサイクルは初めて実現します。
日本原燃の原子燃料サイクル施設
日本では日本原燃(株)が主体となり、青森県六ヶ所村において原子燃料サイクル施設(ウラン濃縮工場、再処理工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター)の建設・操業を進めています。