核分裂は大量の熱エネルギーを発生させます。原子力発電は、この熱エネルギーを利用して、水を水蒸気に変え、この水蒸気によってタービン・発電機を回して発電します。
ウランの核分裂によって、どのくらいのエネルギーが生まれるかというと、ウラン235は1グラムで、石炭3トン、石油2000リットル分のエネルギーを生み出すことができます。ウラン燃料と化石燃料では、発生する熱エネルギーの量が格段に違います。原子力は、少量の燃料で大きなエネルギーが取り出せるので、燃料の運搬、貯蔵の面でも優れています。
日本原子力文化財団/原子力・エネルギー図面集
原子力発電と原子爆弾の違い
原子爆弾は、核分裂しやすい、ウラン235の割合をほぼ100%まで濃縮して爆弾を製造し、一気に核分裂を発生させることによって、爆発するようにつくられています。
これに対し、原子力発電所で利用している原子炉は核分裂反応をゆっくりと進ませて、できるだけ長い期間にわたり熱を出すことに重点を置いて設計されています。そのため原子炉はウラン235が3%〜5%しか含まれていない燃料を使い、制御しやすく、原子爆弾のように核爆発を起こさない設計になっています。