原子力発電所で使い終わった燃料(使用済燃料)は、使えるものと使えないものに分別する「再処理」をすることで、再び燃料としてリサイクルできます。
この再処理によりウラン資源をリサイクルする流れを「原子燃料サイクル」と呼びます。
燃料のリサイクルは不可欠
発電を終え、使い終わった燃料(使用済燃料)の中には、まだ燃料として利用できる資源が含まれています。これらを再処理して回収し、再び燃料として利用することは資源を持たないわが国においては、エネルギーセキュリティの面からも非常に重要です。
原子燃料サイクルとは
リサイクル可能な燃料
使用済燃料の95~97%程度は、消費されなかったウランや新たに生成されたプルトニウムといった、再利用できるウラン資源です。このため、使用済燃料は「リサイクル可能な燃料」ともいえます。
リサイクル可能な燃料
プルサーマル
使用済燃料から再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜてMOX燃料をつくり、原子力発電所で利用することを「プルサーマル」といいます。
海外では豊富な導入実績があり、約50年の歴史があるプルサーマルは、使用済燃料のリサイクルを進めるうえで、有効な手段です。
プルサーマル
使用済燃料の貯蔵対策
使用済燃料は再処理に搬出されるまでの間、各原子力発電所で安全を確保しながら計画的に貯蔵対策を進めています。引き続き、発電所の敷地内外を問わず、中間貯蔵施設や乾式貯蔵施設などの建設・活用を進めることで、使用済燃料の貯蔵能力拡大を図ります。
使用済燃料の貯蔵対策
高速増殖炉
高速増殖炉は、発電しながら消費した以上の原子燃料を生成することができる原子炉です。現在の軽水炉などに比べて、ウラン資源の利用効率を飛躍的に高めることができます。
高速増殖炉
原子燃料の輸送と安全性の確保
原子燃料サイクルでは、国内、海外からの新燃料や使用済燃料、ガラス固化体の輸送が発生します。輸送にあたって、その方法、容器など、国や国際的な法令・取り決めにしたがって行われます。
原子燃料の輸送と安全性の確保