原子力発電による燃料の消費は、全体の3~5%程度で、核分裂せずに残ったウランや発電に伴って新たに生成されたプルトニウムが合わせて、95~97%も含まれています。このウランやプルトニウムを再処理して取り出すことにより、再び燃料として利用できることから、使用済燃料は「リサイクル可能な燃料」ともいえます。
発電後のウラン燃料
新たな資源・プルトニウムの生成
発電に使うウラン燃料には、核分裂しやすいウラン235が3~5%程度含まれ、残りの95~97%程度は核分裂しにくいウラン238が占めています。ウラン235は、原子炉の中で中性子と衝突して核分裂を起こし、大量のエネルギーを出します。そのとき、中性子が2~3個飛び出します。ウラン238は、この中性子を吸収して、新たな物質であるプルトニウム239に変わります。
プルトニウム239はウラン235と同様に、核分裂によってエネルギーを発生する物質ですが、天然にはほとんど存在しない放射性元素です。
原子炉(軽水炉)の中では、ウランのほかに新しく生成したプルトニウムも核分裂反応をしてエネルギーを出しています。実際に現在の発電量の約30~40%はプルトニウムによるものです。