放射線の人体への影響のあり方には「確定的影響」と「確率的影響」があります。このような影響の受け方の違いにもとづいて放射線防護のための考え方が定められ、国際放射線防護委員会(ICRP)によって放射線防護基準が勧告されています。
確定的影響
確定的影響は「一定量の放射線を受けると、影響が現れる」現象をいいます。また、受けた放射線の量が多くなるほど、その影響度(障害)も大きくなります。確定的影響は数多くの細胞が放射線によって傷ついたときに生じ、毛が抜けたり、白内障になったりという障害が発生します。
確定的影響は、放射線を受ける量を一定量(しきい値)以下に抑えることで防ぐことができます。
確率的影響
確率的影響は、一定量の放射線を受けたとしても、必ずしも影響が現れるわけではなく、「放射線を受ける量が多くなるほど影響が現れる確率が高まる」現象をいいます。しきい値がないと仮定する影響です。
ガンや白血病は確率的影響です。しかし放射線の量が多くなったからといって、症状が重くなるわけではありません。
日本原子力文化財団/原子力総合パンフレットWeb版
環境省/放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
放射線影響研究所
放射線防護の考え方
しきい値のある影響は放射線量をそれ以下におさえ、しきい値がないと仮定する影響は安全なレベル以下に線量を管理することにしています。
身体に受ける放射線の量をできる限り少なくすることが影響を抑えることにつながります。