3. 再生可能エネルギー導入政策・動向

再エネ導入目標:2030年までエネルギー全体で32%、発電で40%に引き上げ

前述のように、フランスは近年、発電では原子力に加えて再エネ開発にも取り組んでいる。2017年末現在、水力2,552万kWのほか、その他の再エネ電源として風力1,356万kW、太陽光766万kW、その他195万kW、合計2,317万kWを持ち、水力と合わせると再エネ電源は4,869万kWと、総発電設備の37%に達する。

フランスは今後も再エネ開発を推進する方針である。開発目標としては、2009年「EU再エネ利用促進指令」によって2020年までに最終エネルギー消費量の23%(2005年10.3%)を再エネで賄うことがフランスに義務付けられ、2009年「環境グルネル実施計画法」では、2020年・23%を達成するため、①再エネ生産量を現行の2,000万トン(石油換算)から2020年に3,700万トン(石油換算)に引き上げる、②発電では2020年までに再エネ比率を総発電電力量の27%まで引き上げる、ことが規定された。

さらに、2015年「エネルギー移行法」では、2030年にエネルギーで32%、発電で40%に引き上げることが謳われ、マクロン政権もこの目標を維持している。この目標を達成するため、2016年10月には、「エネルギー多年度計画(PPE)」が制定され、省エネ・再エネ開発に関する中期目標(2016~2018年、2019~2023年)が規定された。省エネについては、最終エネルギー消費量を2018年に7.0%、2023年に12.6%削減する(2012年比)目標が示される一方、再エネについては、2030年までに陸上風力2,180万~2,600万kW、太陽光1,820万~2,020万kWを導入する目標が示されている。

風力、太陽光の開発規模は、ドイツなどと比較すると遅れを取っているが、再エネ促進を重視するマクロン政権の下、2017年10月、風力発電WGが立ち上げられ、地域の許容性向上や許認可手続きの簡素化が進められている。また、電気事業者であるフランス電力(EDF…詳細は「6. 電気事業体制」を参照)は2017年12月、2020~2035年の間に、フランス国内で3,000万kW(現行の太陽光発電容量の4倍以上)の太陽光を建設する計画を発表している。

固定価格買取制度を導入

フランスでは再エネ電源の開発支援策として、固定価格買取制度(FIT)および電源入札制度が採用されている。FITは、太陽光、風力、小水力、バイオマス等の再エネ電源に幅広く適用されている。

一方で、入札制度も併用されている。入札は、PPEに基づいて政府が策定する「多年度発電設備投資計画」における電源別発電容量の目標値に、実際の発電容量が達していない場合に実施される。入札で受入枠を落札した発電事業者は、EDFに発電電力を売電する。2005年以降、政府はバイオマス、陸上風力や洋上風力の電源に対して入札制度を実施している。具体的には、2017~2020年分について、陸上風力で300万kW、太陽光で陸上設置型300万kW、屋根設置型135万kWの入札が実施されている。洋上風力については、2011年と2013年に6つのプロジェクト(合計約300万kW)が落札されたが、許認可手続きの複雑さ、景観・騒音に係る訴訟、政府による買取価格の再交渉などのため、未だに着工には至っていない。そのため、前述のように現在、許認可制度の見直しが検討されている。
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