1. エネルギー政策動向

世界有数の化石燃料資源国:重要な外貨収入源

ロシアは、天然ガスの埋蔵量で世界2位、石炭で3位、また石油では6位を占める世界有数の化石燃料資源国である。これらの化石燃料はロシアにとり貴重な輸出品であり、外貨収入源となっている。総輸出額に占める燃料エネルギー(電力を含む)の比率は約6割(2016年)である。

2009年11月に制定された「2030年までのロシアのエネルギー戦略」(「2030年エネルギー戦略」)では、このような資源輸出型からイノベーション型への移行という方針を打ち出し、エネルギー部門に対して経済のイノベーション型発展を支え得る、技術革新に基づいた効率的な事業運営を求めている。エネルギー資源およびエネルギー部門の潜在力を最も効率的に利用することにより、経済の持続可能な発展や国民生活の質的向上、対外経済関係における地位向上などの課題実現を後押しすることが政策の目標とされている。

エネルギー輸出では、原油・天然ガスなどの原料に代え、付加価値の高いエネルギー製品・関連技術の比重を高める構造変化を求めており、LNGや原子力技術は重要な輸出商品と位置付けられている。輸出先についても、従来の欧州中心から、需要の大幅増加が見込まれるアジア太平洋地域に移行する方針を定めている。2018年3月現在、ロシア政府は新たに「2035年までのロシアのエネルギー戦略」を策定中であり、2017年に発表されているその草案(政府による採択は遅れている)によれば、上述のような政策的方向性は引き続き維持されるものとみられる。

燃料生産は、金融危機等による一時的な落ち込みを除いて、2000年代以降、おおむね増産傾向が続いている。ロシア統計局の資料によると、2015年の原油(ガスコンデンセートを含む)生産量は5億3,400万トン(前年比1.5%増)、石炭生産量は3億7,200万トン(前年比4.2%増)といずれも前年比で増産となった。ただし、天然ガス生産量は6,340億m3で前年比1.2%の減産となっている。

エネルギー輸出市場の東方シフト

欧州はこれまで、ロシアにとって最大の天然ガス輸出先であり、それ自体は今日においても変わることはない。ただし、近年では欧州がロシア産天然ガスへの依存軽減を目指す中、エネルギーを巡るロシアと欧州との関係に変化も生じている。とりわけ、2014年に発生したウクライナ問題は、欧州とロシアの関係を冷え込ませる結果となり、こうした中、ロシア側も輸出先としての欧州一極への過度な依存を軽減するべく、自国資源の販売先の多様化を図りつつある。このような動きは、新たな輸出市場をアジアに求める、いわゆるロシアの「東方シフト」と呼ばれる動きにつながっている。象徴的な事例として、2014年、ロシア国有ガスプロム社と中国石油天然ガス集団(CNPC)との間で、向こう30年間にわたって380億m3、4,000億ドルを上回るガス供給契約が両国首脳の立会いの下で合意されたことなどが挙げられる。

発電はガス火力中心

発電では、天然ガスへの依存が大きな特徴となっている。2015年の発電電力量1兆675億kWh(前年比0.3%増)のうち、火力が6,984億kWhで65.4%を占めるが、その火力の中では天然ガスの比率が高く、総発電電力量の49.7%(国際エネルギー機関IEAによる2015年実績)となっている。

一方、電力の大消費地で燃料資源の乏しいロシア欧州(欧ロ)地域への電力供給、さらにはガス発電偏重の軽減のため、原子力開発も進められてきており、2016年末現在30基2,674万kWと世界第5位の原子力発電国となっている。2015年の原子力発電電力量は1,955億kWhで総発電電力量の18.3%を占める。

また、水力開発は東部地域(主にシベリア地域)を中心に進められてきた大容量水力の建設が一段落しており、近年では欧ロ地域での揚水建設にも力が入れられている。2015年の水力発電電力量は1,699億kWhで、全体の16.0%を占める。
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