電力自由化は限定的
電力改革の一環として進められた電力市場の自由化は2003年、規制価格で取り引きされていた当時の卸電力市場に自由価格で取引する自由取引セクターを設けるところから始まった。2006年9月の新市場モデル(NOREM)の導入とともに、卸電力市場は、規制相対契約、1日前市場および需給調整市場による取引構成に改められた。NOREMでは相対取引契約を中心に据え、1日前市場と需給調整市場で過不足分を調整する一体的な運用が行われ、その中で規制取引枠が徐々に引き下げられ、自由化が進められた。小売電力市場においても、2011年1月からは大口需要家向けの電力販売が自由化されている。
ただし、卸電力市場、小売電力市場ともに、自由化が実施されているのは「価格ゾーン」と呼ばれるロシア欧州・ウラル地域およびシベリア地域に限られており、極東など「非価格ゾーン」と呼ばれる地域では、基本的に垂直統合型電力会社が規制価格で電力を販売している。