1. エネルギー政策動向

水力と原子力を中心とした電力供給

スウェーデンは化石燃料資源に乏しく、国内では、わずかに泥炭などを産出するのみで、石炭や石油、天然ガスの供給は、もっぱら輸入に依存している。一方で、豊富な水力資源や、原子力を利用した発電が行われているほか、森林地帯が広がる国土の特性もあって、木質燃料などのバイオマスによる発電や熱供給も盛んである。このため、化石燃料資源には乏しいものの、スウェーデンの国内エネルギー自給率は2015年には75%に達している。

発電では、化石燃料による火力発電はごくわずかで、水力や原子力のようにCO2を排出しない電源が主力となっている。2015年の国内発電電力量1,621億kWhのうち、水力が47%、原子力が35%と、この2種類の電源で8割以上を占める一方、化石燃料による発電比率は1%にとどまっている。他の電源としては、風力(10%)、バイオマス・廃棄物発電(7%)がある。国土が高緯度に位置することもあって、これまでのところ太陽光発電はごくわずか(2015年実績では0.1%未満)にとどまる。

スウェーデンでは包括的なエネルギー気候変動政策が2009年に政府により策定され、議会で承認されている。また、至近では2016年6月に、与野党を含む政党間でエネルギー政策に関する枠組み合意が図られている。これまで、スウェーデンのエネルギー政策では、温室効果ガス(GHG)排出削減やエネルギー利用効率の向上などに重点が置かれる一方、将来的な電源構成の在り方、とりわけ原子力の扱いについては政党間で意見の隔たりがあり、近年、政権交代のたびに曲折を経てきた。2016年における政党間枠組合意では、後述のように、再エネ電力100%の達成が目標とされる一方、建替えに限って原子炉の建設を認めるなど、一部に不透明な内容が含まれている。
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