3. 再生可能エネルギー導入政策・動向

2020年の再エネ導入目標をすでに達成

欧州連合(EU)の政策的取り決めによって、スウェーデンは2020年までに、国内エネルギー消費量に占める再エネ(水力を含む)のシェアを49%まで引き上げることが義務付けられている。さらに、スウェーデンは2009年のエネルギー気候変動政策において、自国独自の目標として、そのシェアを50%とすることを目指している。これに対し、2016年実績では53.8%となり、すでにこれらの目標を上回る結果を達成している。

2016年におけるエネルギー政策に関する政党間枠組合意では、2040年までに再エネによる発電を100%とする目標が示された。しかし、これはあくまで目標であること、また、このことが原子力の具体的な閉鎖期限や、政治的決定による閉鎖の方針を意味するものではないことも明記されており、やや不透明な位置づけとなっている。

RPS制度で再エネ開発を推進

国内の再エネ導入を支える主要な支援策として、スウェーデンでは2003年より、「再生可能エネルギー利用基準(Renewable Portfolio Standard)制度」、いわゆるRPS制度を導入している。RPS制度の下で、電力会社は販売電力量に対する一定割合の再エネを調達することが義務付けられている(一部の電力大口需要家も消費量に対する一定割合の調達を義務付けられる)。その割合は、導入当初の2003年における7.4%から段階的に引き上げられ、2017年では24.7%となっている。なお、対象となる電源には、大規模水力を除く風力、太陽光、バイオマス、小水力など多様な再エネに加えて、国産燃料である泥炭(コジェネ用)も含まれる。

義務を負う電力会社などが、実際にどれだけの再エネ電力を調達したか、その検証を可能にするのは「再エネ証書」である。まず、再エネ発電事業者は、自らの発電量に等しい「再エネ証書」を、国の認証機関から受け取る。そして、これを再エネ証書市場で売却することにより、追加的な収入を得ることができる。証書の買い手は、調達義務を負う電力会社などである。義務を負う電力会社は毎年、自らの義務量に等しい再エネ証書を確保しておかなければならない。

再エネ証書の価格は前述のように市場で決定される。そのため、欧州で広く普及している「固定価格買取制度」(FIT)などと比較して、より市場ベースの支援策であると言える。2012年からは、隣国ノルウェーと共同の再エネ証書市場が立ち上げられ、再エネ証書の国際的な調達も可能になっている。
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