3. 再生可能エネルギー導入政策・動向

スペインは世界有数の再エネ発電国

前述のように、スペインは、早い時期から再エネ開発に積極的に取り組んできた。1992年に初めて再エネ電源の導入計画が策定されたのを皮切りに、その後、同計画は数年に一度改定され、新たな再エネ導入目標が設定されてきた。

2011年の「再エネ国家行動計画」(2011~2020年)では、2020年に陸上風力を2010年比で1.7倍の3,500万kWに、太陽光は同1.9倍の725万kW、太陽熱は同7.6倍の480万kW、バイオマスは同2.4倍の195万kWと大幅に増設する計画である。太陽熱は2007年に初めて導入と、太陽光に比べて導入開始は遅れたが、2020年には発電電力量では太陽光を上回ると予想されている。

これらの計画が導入された結果、多くの風力、太陽光、太陽熱発電所が設置され、太陽光の導入量は2008年にドイツに次ぎ世界第2位となるなど、スペインは世界有数の再エネ発電国となった。しかしその後、再エネ買取制度の見直し(後述)により再エネ電源の新設が徐々に減少し、再エネ導入目標の達成が疑問視され始めている。2016年現在、風力は2,306万kW、太陽光は467万kW、太陽熱は230万kWである。これらの再エネ電源は水力を含めてスペインの総発電設備の47%、また総発電電力量の38%を占める(2016年)。

FITで開発を推進:電力会社には巨額の赤字

この再エネ導入量の増減をもたらしたのは、固定価格買取制度(FIT)である。スペインでは1994年から導入されており、電力会社に対して、再エネからの発電電力を高い価格で買い取ることを法律で義務付けた。

買取価格は、再エネ開発促進のため、2007年まで段階的に引上げられた。しかしそれ以降、買取価格が引下げられた他、買取期間の短縮や再エネ電源の導入制限などの措置が実施された。さらに2012年には、再エネ発電の買取を停止した。2016年には買取再開が決まったが、買取価格などの条件は大幅に変更され、導入を制限するものとなった。

このようにスペインが買取制度の見直しを実施したのは、政府が買取コストの電気料金への転嫁を認めないことから、電力会社が巨額の赤字を抱えるに至ったためである。
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