海外電力関連 トピックス情報

[英国] 政府、低炭素化に向けた戦略「Clean Growth Strategy」を発表

2017年11月1日

ビジネス・エネルギー・産業戦略省は2017年10月12日、低炭素化にむけた新たな戦略「Clean Growth Strategy」を発表した。
英国は2008年の気候変動法において2050年までの温室効果ガス排出量80%減(1990年比)という目標を掲げ、その達成に向けて5年ごとの温室効果ガス排出量の上限を定めている。
現在のところ、第1~3期(2008年~2022年)は目標達成の見込みであるが、第4~5期(2023年~2032年)は目標未達の見込みである。
今回の戦略は、その環境目標の達成と、低炭素産業を軸とする経済成長の両立を目的として策定されたものである。
実施する政策は、最低限のコストでの低炭素化の推進、民間企業に最適なイノベーション環境の提供という観点が特に重視されている。
電力部門では(1)洋上風力拡大に向けた事業者との協働(洋上風力が十分な競争力を有すれば2020年代に1,000万kW以上の新設につながる)、(2)予算5億5,700万ポンド(1ポンド=約149円)の(市場価格との)差額決済契約オークションの開催(2019年春)、(3)ヒンクリーポイント原子力発電所の新設、およびそれに続く原子力新設がコスト競争力を有するための建設者主体との議論、(4)原子力部門(新燃料、新型炉設計等)のイノベーションへの4億6,000万ポンドの投資、(5)電力貯蔵、デマンドレスポンス技術等のスマートシステムのイノベーションへの2億6,500万ポンドの投資、(6)洋上風力のタービンブレード改良等の再エネ関連技術のイノベーションへの1億7,700万ポンドの投資等の計画が盛り込まれた。
なお、今回の戦略では、EU離脱後に英国がEUのCO2排出量取引制度の枠組みに残留するかは明らかにされていない。
環境団体などからは今回の戦略には具体性が欠けていると批判されているが、英国政府は今後事業者と協力して各施策の具体化を進めていく予定である。

 

 【情報提供:一般社団法人 海外電力調査会

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