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[チェコ] チェコの増設計画 最大4基の入札変更で、仏・韓が再び応札へ

2024年2月16日

チェコ政府は1月31日、同国のドコバニ原子力発電所(ロシア型PWR×4基、各51万kW)の増設に係る入札について、1基ではなく最大4基の拘束力のある入札に変更することを決定。
次の入札に参加を募るのは、フランス電力(EDF)と韓国水力・原子力会社(KHNP)の2社のみと発表した。


なお、ウェスチングハウス(WE)社は、必要な条件を満たさなかったとして、除外されている。


チェコでは2022年3月、ドコバニ原子力発電所Ⅱ期工事の初号機となる5号機の入札が開始された。
この入札には、チェコ電力(ČEZ社)の100%子会社であるドコバニⅡ原子力発電会社(EDUⅡ社)が要求する国家安全保障での資格審査を通過した、WE社、EDF、およびKHNPが参加した。
2023年10月、3社は、EDUⅡ社に5号機について入札の最終文書を提出した。
なお、ドコバニ6号機とテメリン原子力発電所3、4号機(ロシア型PWR×2基、各108.6万kW)についても、3社は、拘束力を持たない意向表明として増設を提案している。


EDFはEPRの出力を120万kW級に縮小したEPR1200を、KHNPがAPR1400の出力縮小版であるAPR1000を、WE社はAP1000をそれぞれ提案したと見られ、この3社はいずれも落札した場合、現地のサプライヤーと提携することで合意していた。


政府は、今回の入札結果を受け、1基を建設する場合と複数基を建設する場合のコスト比較から、当初の入札実施計画を修正することを決定。
入札は今後、拘束力のある入札としてドコバニ5、6号機、テメリン3、4号機にも拡大される。
P.フィアラ首相によると「最大4基の原子炉建設を一括契約する場合、たとえ徐々に建設するにしても、1基のみを建設するよりも経済的に著しく有利であることが判明した。
1基のみを建設する場合と比べ、1基あたりの価格を最大で25%引き下げることができる」という。


今後、EDFとKHNPの2社は、拘束力のある入札書類を4月15日までに提出し、その後、EDUⅡ社の評価と報告書は5月末までに政府に提出され、6月末までにサプライヤーが確定する予定。
ドコバニ5号機の2036年の試運転開始予定には影響しない。


P.フィアラ首相は、「原子力発電開発の促進は、チェコの繁栄に極めて重要である。
この決定により、市民や企業に長期にわたり電力を安全かつ安定して、手ごろな価格で供給できるようになる」とその意義を強調した。


チェコでは主に輸送部門と暖房の電化により、今後、電力需要が大幅に増加し、国家エネルギー・気候計画によると、2050年には電力消費量は現在の2/3に匹敵する電力量が増加し、1,000億kWhになると予想されている。
石炭火力発電所は閉鎖され、2050年に既存の発電設備で稼働するのは、テメリン1、2号機のみとなる。
政府は、ドコバニとテメリン両発電所の大型炉と中小型炉の両方が間違いなく必要になるとしている。

 

 【情報提供:原子力産業新聞

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