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[欧州] フォーラトム、2019年の優先的取組事項として温暖化防止など列挙

2019年2月8日

フォーラトム(欧州原子力産業会議)は1月14日、同産業会議が2019年に優先的に取り組む事項として、温暖化防止とエネルギー源の持続可能性、および雇用の創出を取り上げたことを明らかにした。
Y.デバゼイユ理事長を始めとするフォーラトム首脳陣が声明文で表明したもので、2018年は「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が「地球の気温上昇を1.5度C以下に抑えるのであれば、原子力発電が重要になる」との認識を明確に示した点を指摘。
国際エネルギー機関(IEA)も欧州連合(EU)に対して、「原子力は電力の供給を保証する低炭素なベースロード電源でありながら、近年のEU政策は新たな原子力発電所の開発や既存炉の長期稼働に対する投資を妨げている」と厳しく警告しており、原子力産業界は明るい展望で2018年を締めくくったとした。
また、欧州委員会(EC)は、原子力が再生可能エネルギーとともに欧州の無炭素発電システムにおいて支柱的存在となり得ることを確認しており、今年は原子力発電所の新設プログラムを奨励するような投資の枠組を、意思決定者と協力して策定していくことが原子力産業界にとって重要だと強調している。
フォーラトムはまず、今後12か月の間にBrexitを始め、数多くの政策的変更が欧州で行われると予測。
これには欧州議会の議員選挙やECの委員長選挙も含まれるが、これらすべてがEUの状況を変えるとの見通しを示した。
フォーラトムとしてはEUの重要課題に関わる機会も増えていくが、以下の3点が今年のフォーラトムの主要な政策優先項目になるとした。
すなわち、

(1)「地球温暖化防止」:昨年11月にECが発表したEUの戦略的長期ビジョン「クリーン・プラネット・フォー・オール」、およびフォーラトムが取りまとめた研究報告書「2050年までの道すじ――低炭素な欧州における原子力の役割」によると、温暖化防止に向けた将来的アクションのための基盤はすでに構築済み。
低炭素な将来を約束する解決策の一部として、原子力が電力ミックスの中で果たす重要な役割を、EUが認識するに至ったことをフォーラトムは歓迎している。
今後12か月間にフォーラトムは、欧州のCO2排出量削減で原子力がどのように役立つのか実証するため、信頼性の高いデータや事実を今後もEUの議論に提供し続けていく。

(2)「エネルギー源の持続可能性」:土地の利用や原材料、大気汚染など、エネルギー源がもたらす環境上の広範な影響は、フォーラトムがこの一年間で取り組む予定の重要課題。
1つのエネルギー源について、持続的に利用可能か評価する際、すべての環境影響に責任を負えるよう、発電所の運転期間全体を考慮することが重要になる。
多量なエネルギーの生産において、広大な土地や莫大な原材料を必要としない原子力は、多くのものを提供することが可能。
フォーラトムはまた、継続的な融資判断が客観的基準に基づいて行われるよう、積極的に取り組んでいく方針である。

(3)「雇用の創出」:欧州の原子力産業は多数の雇用を生み出していることから、フォーラトムとしては今後も継続的に原子力を推進していく。
このことを実証するため、フォーラトムは外部企業に委託し、どの部門が欧州に雇用を提供しているか正確に特定するための調査を実施する。

これと同時に原子力産業界は、労働者の能力不足が拡大していくことを危惧。
そのため、フォーラトムは加盟企業との連携協力や、「欧州原子力教育ネットワーク(ENEN)+(プラス)」のようなEUプロジェクトを通じて、若い世代を原子力分野の職業に呼び込む考えである。
(参照資料:フォーラトム、EUの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)

【情報提供:一般社団法人日本原子力産業協会

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