高レベル放射性廃棄物の地層処分

放射性物質は放射線を放出しながら、時間が経つにしたがって、その強さを減少させていきます(放射能の減衰)。高レベル放射性廃棄物は、強い放射線を出し、その放射能レベルが十分低くなるまでには非常に長い時間がかかります。そのため、数万年以上にわたり人間の生活環境から遠ざけ、安全に隔離する必要があります。その方法として、各国で宇宙や海底への処分など、さまざまな方法が検討されてきましたが、日本を含め各国では「地層処分」を計画しています。

地層処分の利点

地下深い層は、石油や石炭、鉄などの鉱床が何百万年、何千万年という長期間にわたって安定な状態で保存されてきました。酸素濃度が低く、地下水の動きも極めてゆっくりしているため金属がさびることもありません。自然現象や人間の活動の影響、社会の変動などの影響も受けにくく、人間の生活環境との間に「十分な距離」を保つことができ、放射能が減衰するまでの「十分な時間」をかせぐことができます。

このような理由から、高レベル放射性廃棄物の処分方法として「地層処分」が最適であることは、世界共通の認識になっています。

高レベル放射性廃棄物の地層処分の方法

ガラス固化された高レベル放射性廃棄物は、冷却のために30~50年専用の施設で貯蔵された後、地下300メートル以深の深い地層に埋設し、人間の生活環境から隔離します。

そのため、将来のいかなる時点においても、人間とその環境に影響をおよぼさないよう、人間や生活環境との距離を保つため、オーバーパックや緩衝材といった「人工バリア」と、安定した岩盤などの「天然バリア」とを組み合わせた「多重バリアシステム」を構築し、安全な処分を実現します。

適切な地層への処分

人間とその環境との距離を保つためには、地下資源開発など、人間活動の対象にならない地層で、しかも十分な深さをもち、地殻変動が少ないことなどの条件を満たす地層が必要です。

わが国では、(独)日本原子力研究開発機構が中心となって地層処分の研究が進められてきましたが、その結果、日本には火山や地震、断層活動の影響が少なく、今後10万年にわたって安定していると評価される地層が広く存在することが明らかになっています。

「多重バリア」の構築

人工バリア

その後、ガラス固化体は厚い金属製容器(オーバーパック)に納め、さらにその周りを粘土で覆い(緩衝材)、地下300メートルより深い、安定した地層中に埋設します。

オーバーパックは、ガラス固化体が地下水に接触することを防止し、地圧などの外圧からガラス固化体を保護します。

緩衝材は、オーバーパックと地層の間に充てんし、地下水の浸入と放射性物質の動きを抑制します。また緩衝材は地層の変位に対するクッションの働きもします。

放射性物質をガラスで固めて閉じ込めているガラス固化体の構造も、人工バリアの一つです。

天然バリア

オーバーパックや緩衝材を埋設する安定した母岩は、天然のバリアです。
また、地下深くでは酸素も少なく、地下水の移動も遅い(1年間に数センチという地層もある)ことが知られています。

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