太陽光発電

物には、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」、そしてその中間である「半導体」の3種類があります。この「半導体」は皆さんの周りのテレビやパソコンを構成する重要部品として、さまざまな形で用いられています。半導体の微小加工は日本の得意分野の一つです。

半導体とは、シリコンなどの基材の上にN型・P型素子を形成したものです。これを写真撮影と同じ技術でプリントすることにより、写真のようなVLSI(超大規模集積回路=中央の四角いチップ)を作ることが出来ます。

半導体
太陽電池パネル

この半導体で用いられる「P型シリコン」と「N型シリコン」を組み合わせ、太陽光などの「光」を当てることで発電を行うのが「太陽電池」で、太陽電池を用いた発電方法を「太陽光発電」と言います。

太陽電池はP型・N型のシリコンを張り合わせた構造で、光が当たることによりプラスとマイナスの「電荷の対」が発生します。それぞれの電荷はP型シリコン(プラス電荷)とN型シリコン(マイナス電荷)に集まり、これにより電気を発生します。

太陽光発電の実用化

以前は発電効率が低かったのですが、最近では徐々に発電効率を高め、バッテリーを組み合わせて家庭用電力を賄えるレベルにまで達している商品もあり、辺境の地に設置される観測所など、送電線が届いていない場所での発電方法としては、すでに実用化されています。
また、透明のガラス状の太陽電池も開発されており、ビルの壁面を覆って発電を行うなど、これまでに無い実験も行われています。

人工衛星には以前から用いられており、人工衛星で使う電力の大部分は太陽電池から得ています。特に宇宙空間では太陽光を遮蔽する「大気」がないため、地表に太陽電池を設置するよりも高効率な発電が可能です。(地球を回る人工衛星に限ります。惑星探査衛星など、太陽光線が当たらない場所まで飛んでいく人工衛星には小型の原子力電池や燃料電池が積まれています。)

ほぼ無限のエネルギーを毎日地上に送り届けている太陽を使った発電方法は、発電時の環境負荷はゼロに等しいエネルギーです。しかし製造時の環境負荷、太陽が当たらない雨・曇り・夜間のためのバッテリー、その製造時の環境負荷、寿命、価格、太陽電池を設置する大量の空き地の確保など、今後の技術革新が待たれています。

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